この星が、好きだから― 私は、ティターンズ。


by fch_titans
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カテゴリ:ツーリング( 43 )

白い悪魔を攻略せよ!


正月に雪の高山を訪れたが、その2週間後、今度は信州方面へドライブへ行ってきた。
飽きもせずに… と思われそうだが、ここ信州もやはり冬だけは行ったことがなく、ずっと行きたくて仕方なかったのだ。


本作戦は一人で、前回使用したドゴスギアではなく、現在の私の専用艦であるグレイファントムで出撃する。
タイヤこそ最新型のピレリ・アイスコントロールを装着するが、はたしてFFで冬の山道にどこまで挑むことが出来るのかー
なかなか厳しい戦いになりそうだ。


朝、最新の気象情報をチェックしたところ、今日は長野県北部を除いて全域で晴れるとのこと。
雪の降る信州を見てみたかったのだが、ここ数日の大雪で白く染まっているのは間違いないし、この次はいつ来られるかわからないので、予定通り行くことに。


8時40分ごろ、名神高速に流れ込む。岐阜方面の白く染まった山々をちらりと眺めながら、小牧JCTへ。
そこから中央道へとスイッチし、ひたすら坂を登る。中津川あたりから融け残った雪が目立ち始め、気温も0℃近くにまで下がってきた。
そして、長い長いトンネルを抜けると、そこは一面の雪景色!
…だと思っていたが、そんなことはなかった。伊那谷の人里に雪はほとんどない。しかし、険しい山々のてっぺんは、それなりに雪をかぶっていた。


事前に耳にしていた諏訪付近のチェーン規制も解除されていたようで、難なく長野道へ。
松本あたりは意外と雪は少ないそうで、この日もやはり積雪はほとんど見られなかった。
んー、これは外してしまったか!? と懸念されたが、豊科ICで高速を下り、高瀬川沿いの県道を北上するにつれ、だんだん雪が目立ち始めてきた。
そして、完全に田畑が雪で埋め尽くされてきたので、思わず脇道に逸れ、カメラを向けた。

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きれいな青空と、白銀の大地。美しい。そう考えると、晴れてくれてむしろ良かったんだな。

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ここらあたりから、温度計は常にマイナスを示すようになってきた。これだけ晴れているのに、さすがは雪国だ。


順調に距離を重ね、大町を通過し、いつものそば屋を目指す。
ここからは県道の峠越えとなり、そして峠から北側の路面には案の定積雪があり、緊張が走った。さすがに4WDのようにはいかないので、速度を落とし、とにかく慎重に進む。うむ、今のところ、大丈夫のようだ。


そして12時ちょっと前には、そのいつものそば屋「美郷」へ。
ここはとても有名な店で、春から秋にかけてはとにかく混む。こうして12時頃のこのこやって来ても、すでに店の前には長蛇の列であり、長時間待つ羽目になるのが通常である。
しかし、このシーズンならばだいぶマシなのではと読んでいたのだが、果たして店の前には車が3台だけだった。繁忙期にはあり得ない光景である。そんなわけで、すんなり店内へ。
寒いけれど、敢えて「かけそば」ではなく「ざる」を注文する。手作り感たっぷりの麺をつゆに浸け、口に運ぶ。
ああ、いつ食べても美味しいな。


大盛りを平らげた後、そば茶をすすりながら地図を見つめる。
この後だが、これまたいつものおやきの店に立ち寄る予定だが、それ以外は何も決まっていない。とにかく雪の信州を見たい、という一心で来たのはいいけれど、さて、何をしようか。
あれこれ見ていると、「戸隠」の文字が目に留まった。戸隠か、あそこには確か神社があったな。いくつか社があるが、その中で奥社だけは数十分歩かないと到達できず、それ故に有り難みもひとしおだ(と、勝手に思い込んでいる)。
雪の中、ひっそりとたたずむ奥社ー 想像しただけでも趣がありそうだ。きっとこの雪ならば、人もほとんどいないだろう。
よーし、ひとつ行ってみるか!


出発前に、店の近くの水車小屋などを撮影。

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さて、ここからがスノードライブの正念場だ。
県31を東へ折れる。東西方向区間は雪もほとんどなく快調に飛ばせたが、県36を北へ進むにつれ、路面の雪が増えてきた。


峠の手前にあるアルプス展望広場から、西方の北アルプスを望む。

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峠を越えたら、もうほとんどこんな感じ。まあ、眺め的にはすごく好きなんだが。

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どうにか無事に下り終え、R406へ。左折すればほどなくおやきの店だが、今はまだお預け。右折して先へ進む。
ちなみに、県36をそのまままっすぐ進めば戸隠までの最短ルートだが、バイクでも嫌気がさすほどの狭路なので、遠回りではあるが無難そうな経路へと迂回する。
R406もペースを稼げるかと思いきや、意外と積雪が多く、あまり飛ばすことはできなかった。


そこから県86、県76を走り継ぎ、ようやく戸隠へ。
土産屋、そば屋、宿坊などで賑わう中社の界隈を通過し、さらに1kmちょっと進むと、奥社への入り口「らしき」場所に到着したが、確証はない。何しろ、雪の壁で何も見えないし、車がやけに多く停まっていたからだ。
だが、雪壁の間から覗いてみると鳥居が見えたので、やはりここのようだ。
それにしても、ほとんど誰もいないと思っていたのに… 意外だ。

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早速、カメラを手になだらかな雪の坂を下っていくと、鳥居の下にはこのような案内板が。

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あれ、2kmもあったっけ? 数年前の晩秋に一度訪れたことがあるのだが、さすがに忘れていたみたいだ。
しかも、計40分もかかるって? しかもそれは通常の話だよな? この歩きにくそうな雪道だと、一体どれくらいかかるんだ??


30秒ほど躊躇しただろうか。だが、これで引き返したら、ここまで来た意味がない。
とりあえず、行ってみるさ。


人が歩いた跡は雪が踏み固められていて、普通に歩ける。だが、戻ってくる人々とすれ違うためにほんの少し脇に避けただけで、ひざまでズボッと埋まってしまう。これは厄介だ。
中にはかんじき(スノーシュー?)とストックで完全武装した猛者もいて、そういった人々はふかふかの部分でも歩けるので、道を譲ってくれた。
そうか、こういう「雪山歩き」という趣味もあるんだな。それであれだけ車が停まっていたのか。

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にしても、手が冷たい。
「あっ、グローブを車から持ってくればよかった!」
しかし、ここから戻る気にはなれず、やむなくポケットに手を突っ込んだまま歩き続けた。
ちんたら歩いていてはいつゴールできるか分からないので、写真は撮りつつも早足で進軍する。
そしてー

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着いた。チェックポイント「随神門」だ。
かかった時間は12分。写真やすれ違い待ちの時間も含めてだから、かなりいいペースだ。これは思ったより早く着けそうだ!


門の両脇を守る狛犬。
豪快なリーゼントがイカしてる(笑)

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内容が分からない…(苦笑)

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門から先はこのような杉並木となっている。

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しかし、この先はあまり人が通っていないのか、踏み固められた轍の幅が狭くなり、締まりもいまいちで歩きにくい。さらには傾斜もついてきて、先ほどまでの勢いは失われ、やや息があがってきた。微妙に汗もかいてきている。これはスポーツドリンクも必要だったな。

奥社がなかなか見えて来ず、やきもきしているところへ、傾斜がますますキツくなってきた。周囲の積雪も尋常ではない。足を前に踏み出しても、ズルッと滑ってなかなか前に進めず、いたずらに体力を消耗してゆく。ちょっとコレ、ヤバくないか? スタミナは持つのか?
いささか酸欠になりかけてきたその時、ようやく鳥居の一部が視界に現れた。おお、もう少しか!?

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しかし、その手前には悪夢のような、文字通り「雪の山」が立ちはだかる。傾斜は40度前後はあろうか。さらに、踏み固められていないのか、膝上まで雪に埋もれ、よろめいて腰までハマった。
「うおっ!!」
思わず大きな声を出すが、周りには誰もいない。雪ばかりだから、響き渡りもしない。何という孤独な戦い。
不意に着いた右手が、冷た過ぎて切れるように痛い! 人によってはめげてしまいそうな状況だが、「やってやる!!」と魂に喝を入れ、がむしゃらに前進する。

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「…。越えた、か?」

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着いた。奥社だ。我が軍の勝利だ!

そのすぐ後方には険しく切り立った戸隠山が、得も言われぬ威圧感を漂わせてそびえ立っている。

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閉ざされた門戸の前に降り立つ。
かかった時間は26分。トータルで38分だから、この過酷な環境を考慮すれば我ながら立派なタイムだ。
息を整えながら振り返るとー

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こうして見ると、改めて積雪量の凄さを実感する。
周囲には特に何もなく、目についたのは参拝者記名帳のみ。せっかくだから、ここまで到達した証として、その足跡を残していこう。


最後に、柏手を打って頭を垂れたものの、願い事は何も思い浮かばなかった。
ただただ、ここまで辿り着けたという達成感でいっぱいだった。
この根性で他の物事にも打ち込めば、自ずと成果は着いてくるはずだ。


帰りはとにかく楽ちんであった。急斜面では足が滑るが、尻餅をついたとしても前に進める。傾斜が緩くなってきたら、走る。重力を味方に付け、そりゃもう軽快に走る。
結局、帰りはスタート地点まで25分で走破できた。


ちょっとした修行のつもりが、修行を通り越して「冒険」になってしまった奥社参り。どうにか達成できたが、おかげで昼に食べた大盛りそばのエネルギーを使い果たしてしまったようだ。
ならば、おやきを腹一杯食べるしかない。


来た道を引き返し、鬼無里にあるおやきの名店「いろは堂」へ。
いろりの傍らの椅子に腰掛け、今から食べる分4個と家族への土産8個を注文し、待つ間そば茶をすする。
ちなみに、今から食べるという場合、いつも1個おまけを付けてくれる。(こんなこと書いてしまっていいのだろうか?)
今回もやはりおまけを付けてくれて、皿には都合5個のおやきが載ってきた。


1個目を口にしたところへ、奥から店のおばあさんが挨拶にやって来た。
いろいろ話をしていると、今年の雪はここ数年に比べて多いということが分かった。逆に言えば、ここ数年は雪が少なかったというわけだ。
やはり温暖化が関わっているのか、と疑わざるを得なかった。


ちなみに、ここのおやきはネットで取り寄せることもでき、家庭で加熱&少し焼けばおいしく戴けるらしい。
だが、いろりの横に腰掛け、鬼無里の四季折々の景色を眺めながら出来たてを頬張るのが、やっぱり私は好きだ。


話し込んでいたら、日が傾いてきた。そろそろ行くか。
話の中で、バイクで何度か来たことがあると告げたところ、なんとステッカーを頂戴してしまった。しかも5枚も。
どこに貼ろうかな?


外に出て、ふとグレイを見てみると…
「うわ~…」

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きったね~。
フェンダーには氷の塊ができちゃってるし。

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というか、ホイールキャップに「つらら」!?
サイドウォールのヒゲにも氷の粒が(笑)
日中も氷点下3~4℃くらいだったので、凍ってしまうんだろうな。


夕暮れの中、県道の峠を走る。
日が暮れた途端、気温はさらに下降し、-5℃を下回ってきた。
上り坂の途中で、最後の写真を。

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そしたら、再発進の際、駆動輪が空転しているらしく、なかなか加速できなかった。
全くもって進めないわけではないが、ここらあたり4WDとFFの差が感じられるところだ。


さらに、タイトなヘアピンコーナーを回り込む際、ゴゴゴゴゴッと異音が。
「やべっ、インの雪壁に擦った!?」でも、そこまで攻めてないけどな??
だがその後も数回同じことがあり、私は悟った。
どうやら犯人はフェンダーにへばり付いて固まった雪塊だ。舵を大きく切った際、タイヤと干渉しているようだ。


おまけに、フロントウィンドウがちょいと汚いなと、いつもの感覚でワイパーレバーを手前に引いたら…
ウォッシャー液が出ない! あかん、凍ってる! しまった、せっかく正月に不凍ワイパー液を買っておいたのに、補充していなかった。
おかげで、汚れだけがワイパーで塗り延ばされ、ますます見にくくなる始末だ。


ここまで冷え込むことは想定外だったため、いろいろと不具合が生じてしまった。


やがて、高瀬川沿いの道の駅・松川に到着。
ここでまず水を汲み、フロントウィンドウにかけて汚れを落とした。
そして、フェンダーの氷の塊を蹴落とすべく、キック。
「痛っ!」
思いっきり足が跳ね返された。堅すぎて歯が立たないか。クソぅ、それならば…
トランクから傘を持ち出し、スッと構えてー


「牙突零式!!」


…こりゃいかん、傘が壊れる(汗)
ま、尾張に戻れば暖かいから、すぐに融けて落ちるだろ。
諦めた私は傘をトランクに戻し、出発することに。


スキー帰りの車が多いのだろうか、豊科ICへの一本道はかなりの渋滞だったので、脇道から回り道してICへ。
残燃料がかなり怪しかったが、尾張に近づくにつれ、無給油で届きそうだと判明したため、補給することなく航行を続けた。
そして、ちょうどオドメーターが600kmを刻んだところで、本部に到着。
冬期信州遠征作戦は、無事に完了した。


※ちなみに、フェンダーの氷の塊は、翌日の昼間に少しずつ融け落ち、夕方にキックしてようやく完全除去となった。
 ただ、蹴り落としていなかったら、さらに翌日までくっ付いたままだったであろう…
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by fch_titans | 2010-01-24 10:46 | ツーリング

こいつぁ春から真っ白だ


あけましておめ…



えーと…




謹んで、新春のご挨拶を申し上げます。


新年初めの更新は、もちろん初日の出!
…の、つもりであったが、実は今回は断念した。


予定時刻から1時間寝過ごしたことに加え、使用機体が雪に埋もれていたため、雪かきなんかしてたら日の出に間に合わないと判断し、再び眠ってしまったのである。


朝起きて外を見たら、こんなんだもの。

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その後の調査で、浜松付近でさえ雲に覆われていて、静岡県中部あたりまで行ってようやく満足に日の出が見られたという事実が判明した。
ま、結果オーライってことで。


明けて2日。寒波のピークが過ぎたこの日、もう一つの作戦を予定通り実行した。
雪の高山ツアーである。
一人で行っても良かったが、今回は家族全員(+犬)で行くことに。
となると、主力艦・グレイファントム(=プラッツ)では手狭なため、より大型のドゴスギア(=エスティマ)の出動である。


ちなみに、双方ともに、この冬スタッドレスタイヤを新調している。
グレイにはピレリの最新スタッドレス『アイスコントロール』を、片やドゴスはサイズの都合上、今も併売されている同社の旧作『アイスストーム・キューブ』をそれぞれ履かせている。性能試験を行うのにいい機会となりそうだ。
それでは、出発!


東海北陸道を北へ。本部周辺は雨だったが、川島PAで朝食を済ませ外に出ると雪に変わっていた。
交通量はそれほど多く感じなかったが、白鳥あたりから既に渋滞が始まっているようだった。
航行中、遥か前方に悠然と横断するニホンザルの姿が! 速度を落とし、クラクションなど鳴らしてみても見向きもしない。肝っ玉が太いのか、それとも単に鈍感なのか…
左のガードレールや木の上にも数匹のサルの姿が確認された。食料を求めて下りてきたのだろうか。彼らもこの寒さでは大変だろう。


郡上ICで高速を降り、一般道へ。なぜ途中で降りるのか、もったいない、と母がブーブー文句を言うが、そんなんじゃつまらない。ディープな雪景色を求めるなら、せせらぎ街道は外せまい。


というか、郡上の街を通過するところから、既に雪深かった。雪の山が道路脇からせり出し、道幅が狭まっている。全幅の広いドゴスゆえ、緊張を強いられた。
R472もやっぱり雪だらけ。ついには路面もシャーベット状の雪で覆われ、前方の車のペースが一気に遅くなる。自分もこの艦の限界がまだ分からないので、極めて慎重に舵を取った。ゴツゴツに凍った路面のせいで、船体が激しく振動する。これは疲れるな。一瞬、「高速で行けば良かったかな?」と後悔が頭をよぎる。


道の駅・名宝が見えて来たので、とりあえず休憩。

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ハムカツを食したあと、航行を再開。


やがて路面は白くフラットな圧雪路に。
本来なら緊張がピークに達するところだが、むしろこちらのほうが乗り心地がよく、またスノードライブに慣れてきたこともあり、とても気持ち良く操縦できた。


実は1年落ちの新古品であるこのアイスストーム・キューブだが、圧雪路面でも不安はない。ちょっとハイペースでコーナーに進入すると、「微妙に滑ってる?」と感じる場面もあったが、目立った乱れも無く、終始落ち着いた挙動を見せた(ドゴスが4WDであることも多分に寄与しているであろう)。
アレキサンドリア時代に使用していたアイスストームも、ドライ、雪上共に好印象だったのだが、その氷雪性能強化版である本タイヤはさらに安心といったところか。
ドライ路面に於いても、よほど攻めない限りはごく普通に走ることができるし、日本ではマイナーかつ取り立てて評価されていないピレリのスタッドレス、かなりオススメである。
(ちなみに、最新型のアイスコントロールは、雪上は未評価ながら、ドライ&ウェットでは驚くべき性能を見せる。こちらはまた別の機会に)


それにしても今日は、すばらしい雪景色だ。
過去2回冬に走ったことのあるせせらぎ街道だが、これだけしっかり積もったのは初めてだ。


停まって写真を撮りたいとせがまれ、幅の広い直線で停止。
皆思い思いに携帯のボタンを押しまくる。
普段はナマケモノのようにのろまな老犬も、やたら元気に走り回る。
自分もカメラを取り出し、適当にシャッターを押してみた。

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そんなことばかりやっていたので、予定より1時間以上も遅れて高山市街に到着した。
正月だからか、雪という条件ながら観光客は意外と多かった。
とりあえず、旧い町並みを歩く。

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ああ、これだ。自分が長い間求めてきたのは、こんな風景だよ。
雪の高山3回目にして、念願が叶った。


ところが、この後昼食をとっていたら、みるみる間に雪は止み、青空から日が差して来た。あと少し遅かったらアウトだったな。

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駅前で五平餅を買って、本艦は高山を後にした。


帰りはほとんど高速だったが、途中かなり眠くなってしまった。
スノードライブの序盤で神経をすり減らしたためだろうか。
しかし、自分以外は皆気持ち良さそうに眠っていやがるので、交替は期待できない。やれやれ…
でも、こんな雪中行軍なんて自分がいなければまずやらない(&できない)だろうから、きっと満足してくれたことだろう。
なので、良しとしよう。


夕方になり、無事本部に帰還。当然、ドゴスの後部は泥まみれだ。また洗車してこなきゃなるまいな。





そんなわけで、いきなり作戦報告から始まった本年のブログだが、まだ所信表明を行っていなかったな。


本年のスローガンは、「決戦」である。
今年は努力するだけに留まらず、キッチリ結果を出せるよう、昨年以上に精進していく所存である。
何の分野かは敢えて明言しないが、まあいろいろ、ね。


とりあえず、2月までは本当にひたすら戦闘(=仕事)の日々となりそうなので、更新は週末に限定されそうだが、溜まった連載も順次続きを書く予定なので、たまに覗いていただければ幸いである。


そんなわけで、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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by fch_titans | 2010-01-04 01:51 | ツーリング

第4次北海道上陸作戦④


「…えらく冷えたなぁ」
朝起きて、一番に口を突いて出た言葉はこれだった。寒さのため、深夜にも何度か目が覚めてしまったため、睡眠状態はいま一つだ。
携帯電話を開き、テレビを起動する。頼りない電波を拾いNHKにチューンを合わせると、ほどなく気象情報が。それを見て納得した。今朝の富良野は8℃台、道内で最も冷え込んだらしい。
「なるほどね…って、いや、これ以上冷えたらやってられないぞ。もっとヘビーなやつ(シュラフ)を持ってくるべきだったか!?」9月の北海道って、こんなに厳しいのか?
そしてこの後も気温はあまり上がらないようなので、着込んで走ることにしよう。

パンを食べた後、テントを収納。富良野の遠景を眺めてから、テント跡地に敬礼し、パーキングを後にした。

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曇り空の下、富良野の農道を駆ける。R237に合流し北上を続けていると、美瑛あたりでちらちらと陽が差してきた。思わず国道を逸れ寄り道したくなったが、ここにはまた作戦の終盤に立ち寄る予定なので、ここは我慢。今日はあくまで北を目指すのだ。

混むことが分かっている旭川市街を避け、和寒(わっさむ)へ。ここでチェックポイントである「かぼちゃの王国」へ立ち寄り、かぼちゃソフトを食す。店舗の向かい側には、北海道らしいのどかな風景が。

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R239を経由し、日本海へ。ここからはR232、通称「オロロンライン」を北上する。
と、そろそろ腹が減ってきたので、道の駅で何か食べることに。
しかし、初めに寄った道の駅では、好みとコストの問題でこれだというメニューがなかったため、写真だけ撮って次の道の駅へ向かうこととした。
高台へ登り、海を見渡す。冷たい西風が水面を荒立て、漁港を吹き抜け、手に構えたカメラを微妙に揺らす。

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さらに北へ十数キロ走ると、次なる道の駅が見えてきた。
そこにも何台かのバイクがいたが、中でも目を引いたのは荷物を満載したベスパ。
へぇ、こういうバイクで旅する人もいるんだなぁと思いつつ、食堂へ。
腹ごしらえを終え、ヘルメットをかぶって出発しようとしていると、先ほどのベスパを押して歩くライダーが。
(「えっ、女の子!?」)
それも、ベスパには合っているとはいえ、本人だけ見ればとても旅のライダーには見えない服装だった。
「ん〜、やるなぁ」と感心すると同時に、北海道という場所はとかくいろんなタイプの旅人がいるものだと改めて思い知らされた。

軽快な音楽に乗って、オロロンラインを北へと快走。そして、最北端への西のハイライトと言うべき、道道106号へ。
だが、ここでいきなり目にしたのは、覆面パトに拿捕された気の毒な一般車両だった。
やはり、いるのか…
だが、うろたえる必要はない。なに、「当たらなければどうということはない」(某少佐の名言より)。
とにかくバックミラーと道路脇にだけは注意しつつ、それでいて地平線までまっすぐ伸びる道を、喜びを噛みしめながら走った。

こうなると、このまま稚内まで道道106号を走りたくなってくるが、そんな気持ちをぐっと抑え、道道444号へ。時期的に花のほとんど咲いていない様子のサロベツ原野を横切る。これから向かうのは、この原野を見渡せる展望台だ。
そしてたどり着いた展望台から、原野と利尻富士を眺める。(残念ながら上半分は雲に遮られていた)

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バイクに戻ると、頭に微かな痛みが。ナニっ、頭痛!? 風邪でもひきかけているのか? 確かに、徹夜走行の疲れも抜けきっていないし、冷たい風にも晒されている。これはいかん、とりあえずバファリンで痛みを抑えよう。

再び道道106号に戻っては距離的にロスが大きいため、内陸部の道道を走り継ぎ稚内のレッドバロンを目指す。今日はここのキャンプ場に宿泊する予定だ。
さすがにマイナーな道道だけあって、ツーリングライダーはおろか地元の車さえもほとんどすれ違わない。
手付かずという言葉がぴったりの丘陵を駆け抜けたら、早くもRBが見えて来た。

ゲートをくぐると、受付の若い店員氏が出迎えてくれた。名古屋出身というその店員氏は、漢字4文字のナンバーを見て懐かしがっていた。
カウンターで申込用紙を記入しようとすると、「RIDE見ました」という合い言葉を発するまでもなく、特製コラボステッカーを戴いた。もう残数が危ういと予想していたステッカーだが、まだそこそこ余裕があったようだ。 
記入する途中で、ふと思いつき、尋ねてみた。併設、というよりこちらがメインとも言うべき宿泊施設は、もう予約でいっぱいですか? と。すると、一部屋だけ用意できるとのことだ。
さきほどからの頭痛もあり、ここはキッチリ疲労を回復しといたほうがいいと考えた私は、予定を変更して部屋を申し込んだ。

鍵を受け取り、さっそく不要な荷物を部屋の床に放り出す。そして、身軽になったサイコを駆り、徐々に高度を下げてゆく夕日を追うようにノシャップ(野寒布)岬へと急行した。
ちょいとのんびりし過ぎたか、陽はどんどん落ちてゆく。稚内市街のゆっくりした車の流れにやきもきしながら急ぐ。間に合うか? 間に合え!
そして、どうにか日没前に、ノシャップ岬にたどり着いた。

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そこには、とにかく大勢の人が押し寄せていた。ずらりと並ぶ車も、ほとんど道外のナンバーばかりだった。
広場の外れの防波堤に腰掛け、空と海の境界を紅く染めながら沈み行く夕日を眺める。
陽が沈むと、どこからとなく拍手が沸き起こった。

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太陽を見送った私は、最北端の温泉で風呂に浸かった後、食材を到達し宿へと戻った。
サロンでは他のライダーたちが談笑しているようだが、私は敢えて自炊を行った。
米を炊き、ラム肉を焼いて、こしょうを振りかけて食す。
肉はやっぱりうまいが、米の煮沸時間を誤ったか、やや焦げめになってしまった。いや。それはまだしも、何だこの自然食材にあるまじき「香しさ」は? もしや、洗面所の水で炊いたのがいけなかったのか?

しかし、原因はおそらく「アレ」だ。
実は米を炊く準備をしようと関連袋を取り出してみたところ、食器用洗剤を入れておいたペットボトルのキャップが破損し、袋がちょっとベタベタになっていた。これが、その下にあった米に染み付いたものと推測される。
だが、その米とてレジ袋を二重にして持ち運んでいるし、その2枚のビニールを貫通してしみ込んだりするものか?
そんなバカなと思いつつ、しかしその後もこの臭いが同様に感じられたところを見ると、やっぱり…!?
当然、味もなーんか不自然。この日はラム肉の味でごまかしつつ食べた。(しかし、それを何度かくり返して行くうちに、少しずつ慣れてきてしまった。慣れとは恐ろしい…)
ちなみに旅の間、特に腹を壊すこともなかったし。一体、何だったのだろう?

食事を終え、ベッドに転がって友人にメールを打っていると、急激に眠気が。結局、そのまま眠りに堕ちてしまった。
                                (つづく)
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by fch_titans | 2009-10-13 21:04 | ツーリング

第4次北海道上陸作戦③


夕闇が迫る中、高速の無料区間を駆使して苫小牧市街へ向かう。残量が微妙だったガソリンを補給しがてら、市街地を西へと走って行く。そこへ見えてきたのはイ○ン。ここなら必要な物がすべて調達できそうだ。まず夕食を済ませてから、革ベルト、ウエットティッシュ、調理用油、さらには明日朝の食料を買い込んだ。

バイクに戻ったのは19時30分。これより本格的に進軍を開始する。
ひんやりとした強い風が吹き付け、落ち葉が渦を巻くように舞っている。晩秋を思わせるような光景だ。そんな風に立ち向かうため、ジャケットはもちろん、下にはカッパ、首筋にはネックウォーマーと、ほぼフル装備で固めた。
「準備よし。では、参るか」
エンジンに火を入れ、方向を転換、巨体がスルスルと前進を始めた。

まずはR234を北上。街を離れ、すっかり林間といった趣になってくる。追い越し禁止のイエローラインも無くなり、本来ならゆっくり走る車をどんどんパスして進むところだが、あえて前車に付いてノコノコと走った。
警戒しているのは鹿だ。近年、道内においてエゾシカが爆発的に増加しており、道路への飛び出しによる事故が増えているという。車ならまだしも、バイクでこれらに衝突した日にゃあ無事では済むまい。よって、夜間は特に慎重さが求められる。

やがて道道を経由し、R274へ。夕張をかすめるようにして日高へと向かう。札幌ナンバーの車がこぞって東へと走っており、意外と交通量は多い。これだけ車が列をなしていては、さすがの鹿も飛び出すことはできまい。退屈だが、気を張りつめること無くのんびり走る。
昼間なら、あたり一面の樹海を眺めながら走れるこの道も、夜はひたすら漆黒の闇ばかり― かと思いきや、建設中の高速道路の巨大な橋脚がデンとそびえ立っていた。先の政権交代で、こういった造りかけの道路は一体どうなるのだろうか、そんなことを考えながら前車のテールライトを追った。

そして、日高でR237にスイッチするや、今度は交通量が皆無となった。対向車も10分に1台ほどすれ違うといった具合だ。鹿等の飛び出しを牽制すべくハイビームを照射するが、あまり長いと今度は各種虫のカミカゼ特攻に晒されるため、こまめに切り替えながら走る。このあたりまでくると、空気もきれいだろうな― そう考え、ちらっと空を見てみると、うわっ、満天の星! 思わずバイクを停め、ライトもオフにし、上空を見上げた。
あまりの美しさにしばし見とれる。ずっと見ていたかったが、首が痛くなってきたので、前方を向き直し、進軍を再開した。

順調に距離を重ね、富良野入りを果たす。しかし、夜で何も見えないので、気分は盛り上がらない。とりあえず、テントが張れそうな場所を探そう。地図で目星を付けておいた、とある展望台パーキングへ。坂をぐんぐん駆け上がると、見えてきた。
おお、これは富良野の夜景か? こういった形で見たのは初めてだが、ふむ、富良野の夜景ってのも悪くないな。

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広い駐車場には車が2台いるだけ。きれいそうなトイレもある。今夜は自炊はしないので、これなら泊まるに当たって何ら不自由はない。もう22時半を回ったし、ここに決めてしまおう。
少し手前で見かけた「熊出没注意」(しかも出没日時付き)の看板にちょっとだけビビるが、肉でも焼かない限りそうそう出て来るまい。万が一出て来て襲撃を受けたら? ま、その時はその時だ。それで命を落とすようなら、私の運命なんざその程度だったということさ。 

ヘッドランプの光を頼りにテントをくみ上げ、荷物を中に放り込み、私自身も潜り込む。どのくらい冷え込むか分からないが、それなりに着込んでシュラフにくるまった。

                                  (つづく)
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by fch_titans | 2009-10-05 23:31 | ツーリング

第4次北海道上陸作戦②

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船が港を出て間もなく、同じ船会社のフェリーがすれ違った。おそらく苫小牧からの船であろう。数日後にはあれに乗って帰ってくるわけだが、そのためには事故のないよう作戦を遂行する必要がある。

客室内に戻るや、あくびが口を突いて出た。よく考えてみたら、ほとんど寝ていない。上陸後にはある程度走るつもりなので、それに備えねばなるまい。寝ておくか。

…眠れない。昼間ゆえに船内アナウンスが頻繁に流れ、また子供たちがワーキャー騒ぎ、お世辞にも快眠できる環境などと言えたものではなかった。当然、耳栓をするなど対策は講じたが、効果はいま一つだった。参ったな、これは…

11時半ごろ、ふと目が覚めた。上記のような環境ながらも、いつの間にか眠っていたようだ。途切れとぎれに2時間ほど眠ったことになろうか。だが、徹夜の進軍の疲れを解消するにはもちろん不十分である。
もうひと寝入り― と考えたその時、腹の虫の咆哮が響き渡った。なるほど、原因はコイツか。そういえば、朝食も摂っていなかったな。よし、じゃあ何か食べるか。資金温存のため、レストランは利用せず、売店で適当に何か買って食べよう。
…売店、閉まってるじゃないか。そうか、常に営業しているわけではないのか。久々のフェリーなので、忘れていた。仕方がない、次の営業時刻の13時まで、風呂でも浴びるとしよう。

売店再開と同時になだれ込み、アイスクリームとスナック菓子2袋を調達。えっ、健康に悪いって? 分かっている。上陸後は、ちゃんとまともなものを食べるさ。
船体後方のオープンデッキに陣取り、地図を広げる。アイスクリームを口に運びながら、上陸前の最終作戦会議だ。
稚内、道東、富良野周辺を回ることは決まっていたが、ではどういう順番で回るか。時計回りか、その逆か― 週間予報なども勘案した結果、時計回りで行くことに。従って、まず真っ先に最北端を目指すこととなるが、後々の日程に余裕を持たせたいので、今夜のうちにある程度は進んでおきたい。そうだな― 富良野か美瑛あたりまで行ってしまおうかな?

地図をたたんで腰を上げ、デッキを歩いてみる。船は津軽海峡を通過しつつあり、左舷には恵山が見えてきた。

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船内では様々な催しが開かれているようであったが、今後の作戦への備えを重視し、これらを見ることなく、もう少しだけ眠ることに。

17時近くになって目が覚めた。窓から外を見てみると、防波堤らしきものが。既に苫小牧港付近まで来ていたようだ。
「いよいよだな」
荷物をまとめ着替えていると、あることに気が付いた。
「なっ… 革ベルトを忘れただと!?」
思わぬ忘れ物であった。今はめている綿のベルトでも機能上は問題ないが、革でなくてはならない理由があって、無いというのはマズい。
「むぅ… 仕方がない、苫小牧市街で調達するか」

船は予定より20分ほど早く接岸したが、バイクの下船は車の後なので、しばらく待つ。ロビーには今か今かと下船を待ちわびるライダーで溢れていた。それぞれの作戦が、間もなく開始される。
乗用車の下船が完了し、バイクの順番が回ってきた。
めいめいに荷物を積み込み、準備が完了した者から出撃してゆく。一人ではバックさせられず、係員や他のライダーの力添えで後退するバイクもあった。それらに少しだけ加勢したあと、私も準備を整えた。サイコの特殊機能であるリバース機構を駆使し、機首をハッチに向ける。タラップを下り、前輪がアスファルトに接地。
陽が沈み、夕闇が迫る中、5年ぶりに北海道上陸を果たした。

「さあ、作戦開始だ!!」

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                                   (つづく)
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by fch_titans | 2009-10-01 19:36 | ツーリング

第4次北海道上陸作戦①


「おお、きれいな夕日じゃないか」
東海北陸道に入った私は、そうつぶやいた。
眩い光が、私とサイコを照らす。

なんだか旅の終わりのような光景だが、今向かっている方角は北。本部基地とは反対方向である。
5年ぶり、4回目となる「北海道上陸作戦」は、今まさに始まったばかりであった。

日も暮れ、ヘッドライトの黄色い光が少しずつその存在感を増してゆく。
今夜は夜通しで走り続けなければならない。何故なら、明日6時ごろまでに、秋田港へ到達せねばならないからだ。
「なんでそんな遠い港を選んだのか? 名古屋や敦賀からも船は出ているだろう?」
―そういう声はもっともだが、私とて好きで秋田を選んだ訳ではない。作戦立案時、敦賀便のバイク枠は既に満席だったのだ。新潟もやや時間が合わなかったし、いっそ青森まで走って函館へ渡る手もあったが、その船を確保できるかも不透明だった。そこで、苦肉の策として秋田の便を押さえたのだ。
青森と新潟の折衷案のような感じだが、実はこの便のほうが、敦賀からの直通便より3時間ほど早く上陸できるのだ。
ただし、その代償として、新潟まで高速を500㎞、さらに一般国道を250㎞ほど自走せねばならない。
何事もなければ間に合うだろうが、果たして―?

「う、寒い…」
郡上八幡を過ぎたあたりから、急激に冷え込んできた。出発時、暑いのを我慢して長袖のシャツを上に着込んでいたのに、それがもう寒くなるとは。
ぎふ大和PAで停止し、春秋用のジャケットを着込む。下は…まあそのままでいいか。という判断が誤りであったことを、この後たっぷりと思い知らされる。いくら9月中頃とはいえ、夜の飛騨の山越えがこんなに寒かったとは… 夏用ジーンズ一枚では、やはり厳しかったか。

結局そのまま寒さを堪えて、北陸道へ。
なんだかんだで初めて走る北陸道、いいじゃないか。カーブが緩くて走りやすく、車もあまりいない。どこかのPAで『岡崎付近を先頭に17㎞の渋滞』(東名高速)との情報を聞くにつけ、改めて自分は恵まれていると感じたものだ。オートクルーズをぬふわ㎞に設定し、快適に距離を稼ぐ。

新潟市街を通過し、高速セクションもそろそろ終わりに差しかかろうとしていたところで、時間を見る。23時15分。よし、まずまずのペースだな― って、待てよ? 今日は金曜日… 「!!」慌てて地図を確認し、すぐそこまで迫っていた最後のSAに駆け込む。危うく休日割引を外してしまうところだった。あっぶね…
SA内は、同じような割引待ちの車で溢れ返っていた。駐輪スペースにバイクを停め、とりあえず10分ほど仮眠。そして下にもカッパを着込み、深夜帯の走行に備える。
そこへ、ハーレーとニンジャの2台組がやってきた。聞けばこれから青森の大間へ向かうという。互いの無事を祈りつつ、私はSAを後にした。

うまく0時を回ったところで高速を降り、燃料を補給してR7へ。どうだろう、間に合うだろうか?
しばらくは快走できたが、大型建機を運ぶであろうトレーラーが前方に立ちはだかったので、R113経由でR345へと逃げ込む。そのまま北へ進めば、「笹川流れ」と呼ばれるシーサイドロードだ。車が全くおらず、飛ばせる! もうガンガン走る!! でもシケインのようなコーナーが随所にあるため、気を引き締めて攻める。
そして道は再びR7へと合流する。

3時頃、猛烈な眠気に襲われ、やむなくバス停で15分ほどうとうとした。コーヒーを飲んでいないことに気がつき、道の駅で缶コーヒーを飲み干す。やがて現れた高速の無料区間に飛び込み、スムーズに距離を重ねる。東の空がだんだん蒼くなってきた。秋田はもうすぐだ。

まもなく5時を迎えようという頃、秋田フェリーターミナルに到達。徹夜の進軍に成功した。小さく拳を握りしめた私を、昨日見送ってくれた太陽が優しく出迎えてくれた。
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手続きを終え、艦内に持ち込む荷物を仕分ける。眠気はなぜか感じない。完全にハイになってしまっているのか。
そして、搭乗が開始された。タラップを駆け上がり、独特の匂いが漂う車両甲板へ。バイクを停め、荷物を背負って客室へ上がる。が、荷物を床に置くや、カメラを手にサイドデッキへ直行だ。

そして、いよいよ出航の刻を迎えた。係留ロープが解かれ、巨大な船体が岸を離れる。突然、背後から鳴り響いた大音量の汽笛に驚かされたが、とにかく出航だ。
いざ、北の大地、北海道へ!
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                                 (つづく)
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by fch_titans | 2009-09-29 20:26 | ツーリング

「試される大地」へ

5年ぶりに行って、試されてきます…

コメントへの返信もできず、申し訳ない。
帰ったらしますので、ご容赦ください。

それでは。
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by fch_titans | 2009-09-18 15:44 | ツーリング

火の国戦記 ~第四章~


海を目指し、3桁国道を南下する。
道は平坦なのだが、周囲にはぽつぽつと山が点在する、何とものどかな景色だ。
鹿島市を回避するバイパスを行くと、有明海が見えてきた。そのままシーサイドクルーズに突入― の前に、腹が減った。おかしいな? さっきまで全然減っていなかったのに。
少し早いが、休憩を兼ねて食糧補給だ。


シンプルにうどんをかき込み、食後にはソフトクリームを片手に干潟へ。
ここ有明海は干潟で有名で、「ガタリンピック」なる泥と戯れるイベントもあるそうだ。
曇っていて眺めはイマイチだが、とりあえず写真は撮っておく。

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バイクに戻り、地図を確認していると、隣に軽自動車がやって来て、中からおじいさんが話しかけてきた。二言三言会話したところで、いきなり缶コーヒーを差し出してきた。あまりに唐突でちょっと驚いたが、恐縮しつつ頂く。
フェリーで天草へ渡ることを告げると、どこそこを通って行くといいと道を教えてくれた。
礼を述べて出発。


海岸を走っていると、バイクのスクリーンに水滴が。
「えっ、もうかよ!?」予報よりずいぶん早いな。だが、まだパラパラ程度だったので、そのまま進む。
やがて諫早の新名所(?)、堤防道路が見えてきた。諫早湾の干拓のために築かれた潮受堤防の上を走る道路である。これにより、諫早市外の回避はもとより、大幅にショートカットできる。
途中でバイクを止め、雲仙へと伸びる堤防をパチリ。

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だが、このころから雨が本降りになってきた。移動日と割り切ってはいたものの、やっぱり青空の下を走りたかったな。


R57を経由して、島原半島へ。ここら辺りから車が増え、ペースが落ちてきた。こんな調子だと、到着がかなり遅くなってしまうぞ。どうする?
そこで、小浜温泉付近にて、流れの遅そうな海岸沿いの国道を離脱、山あいを走る雲仙グリーンロードへと切り替えた。するとどうだ、車もほとんどおらずスイスイと、いや、ガンガン走れる!
豪快なアップダウンや高速コーナーを、慎重に、それでいて快調に飛ばす。これはかなり時間
を稼げるぞ。


そして、程なく口之津港に到着。
おおっと、駐車場が満車だ! 何度か利用したことのある航路だが、こんな光景は初めて見た。
だが、通常ダイヤとは関係なくピストン輸送体制だったことと、バイクはそれほどいなかったために、待ちターンなしで乗船できた。


船に乗り込み、スタンドを出してバイクを停め― えっ!? 傾きが止まらない! 船体の壁につかえて止まったが、下を見ると、出したと思っていたスタンドが出ていない! 勝手に戻ったのか、出たものと錯覚したのか分からないが、どうもスタンドがらみの災難が多い。
係員のオジサンが「怪我ないか?」と心配してくれ、「大丈夫です」と答えたものの、実際は左肘の筋肉を少し傷めてしまったらしい。バイクのミラー外面にも傷が付いたし… やれやれ、人馬ともに満身創痍だな、これは。

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何はともあれ、船は港を出て、島原半島を離れてゆく。
デッキで潮風に吹かれることおよそ30分、船は鬼池港に接岸。天草諸島の一角、下島に上陸である。
さすがにここまで来ると、海の水がキレイだ。曇り空の下でも、こんなに透き通って見えるのだから。

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国道を南下していくと、本渡市外で渋滞に。何故かと思えば、下島の背骨とでも言うべきR266への入口で車が詰まっていた。
それならばと、走り慣れた県道26号をチョイス。南に行くほど幅の狭い区間が増えるが、それまでは快走できる。
田園地帯を駆け抜けると、八代海が見えてきた。大小さまざまな島々が浮かぶこの光景、晴れていれば美しい眺めなのだが…
中途半端な雨のため、バイクのスクリーンに細かな水滴が付着し、前が非常に見づらい。時折停止し、ハンドワイパーで水滴を拭い、走り続けた。


だいぶ暗くなってきた空の下、狭くてタイトな幾多のコーナーをクリアしてゆくと、幼少の頃より見慣れた小さな漁港が見えてきた。
17時30分、天草の親戚宅へ無事到着した。

                                                 (つづく)
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by fch_titans | 2009-05-21 20:54 | ツーリング

火の国戦記 ~第三章~


「よう来たね。待っとったばい」


4年ぶりに佐賀に訪れた私を最初に出迎えてくれたのは、コウちゃんだった。
コウちゃんとは3歳年上の従兄弟で、私が佐賀に遊びに来るたびに仲良く遊んだものだ。お互いもう30代になったけれど、「○○兄さん」といった呼び方をする気にはなれず、やっぱり昔からの呼び名のままでいる。


コウちゃんの子供たちも、ずいぶん大きくなった。上から7歳、5歳、2歳になる3姉妹だ。
ん? というか、いちばん下の子は初めて見るか。
その末っ子の底抜けな元気のよさに圧倒されつつ、久々にゆっくりといろんな話をした。
話ついでに、出発前に現像して消去するつもりが、結局できずにそのままだったデジカメの画像を見せ、この1年でしてきた旅の思い出なんぞも聞かせたりした。
親戚じゅう見渡しても、独身で気ままにあちこち旅しているのは私くらいで、ほとんどの従兄弟は既に所帯を構えている。だから、こういった話や風景の写真などに興味が沸くのだろうか。
何枚か、気に入った画像を分けてあげた。そのばですぐにおすそ分けできるなんて、まあ、便利な世の中になったものだ。


やがて叔母も帰宅し、挨拶を交わす。叔父は夜釣りに出かけており、帰りは翌朝になるとか。
その夜は、焼肉をご馳走していただいた。末の子の暴れん坊ぶりに驚き、
「ま、まぁ、子供は元気が何よりたい。ばってん、大変ね…」と苦労をねぎらいつつ、美味い肉をたっぷり頂いた。何しろ、朝も昼も(特に昼は)あまりまともなものを食べていなかったので、心の底からウマい! と感じられた。


一番風呂を頂いたあと、コウちゃんと同じ部屋で寝ることに。しかし、コウちゃんは「今日は疲れたろうから、早めに休んだほうが良かよ」と気を遣ってくれた。
久しぶりだから、もっといろいろ話がしたい気もしたが、よく考えたら睡眠時間は合計で1時間ちょっと。その割には元気だよなぁ? と、我ながらあきれるほどに眠気はなかったが、さすがに気が緩んだのか、急激に眠気を催した。


8時に目を覚ますと、隣の布団にコウちゃんの姿はなかった。どうやら奥さんが今日も仕事で家を出たらしく、子供たちの世話をしていたらしい。
のこのこと顔を出し、朝食のパンをいただく。
そこへ、夜釣りから叔父さんが帰ってきた。すぐに向き直り、頭を下げた。
一緒に朝食を済ませたあと、窓から空を見上げた。
予報どおりの曇り空。
今日(3日)の夕方くらいから雨が降り出し、明日まで降り続くらしい。だが、それは出発前から分かっていたことだ。だから、2~4日は親戚回りに専念し、5、6日に個人的なツーリングをしようと決めていた。


バイクに荷物を積み終え、3姉妹を乗せたコウちゃんの車の後を付いて、親父の実家へと向かう。といっても、たったの3、4分の距離ではあるが。
左右どちらを見渡しても、広大な麦畑。この景色は、小学生のころ見たそれのままであった。
そして、本家の叔父、叔母に顔を見せて、いったんバイクを置き、コウちゃんの車に乗り込み、墓参りへ。


夏休み、沢ガニを探したりして遊んだ小川を通過し、丘の上の広場へ。そうそう、ここでラジオ体操とかしたっけな。そこに車を止め、墓まで歩く。広すぎるため、一人で来たら絶対分からないであろう場所に、祖父母の墓はあった。相次いで亡くなってから、もう20年ほどになろうか。


線香を立て、手を合わせる。


(おじいさん、おばあさん、4年ぶりのご無沙汰です。一族でいちばんの不肖者だけど、それでも何とか、自分なりに頑張って生きております)


目を開き、立ち上がって振り返れば、新緑の入り混じる美しい山々の合間に、集落が広がっていた。


墓から戻り、お茶を頂いていたら、もう12時が近づいていた。
お昼にちゃんぽんかラーメンでも、と誘われたが、まだあまり空腹を感じていなかったし、そこまで世話をかけても申し訳ないので、これを辞して出発することにした。
親戚一同に見送られながら、私は次なる目的地、天草へと走り出した。


国道を南下して遠く右手を見やれば、地元の人々に「御船山」と呼ばれる、この私にも見慣れた特徴的な形容の山が、曇り空の下そびえ立っていた。


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「さて、船の時間もあるし、先を急ぐか」


                                                 (つづく)
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by fch_titans | 2009-05-17 21:28 | ツーリング

火の国戦記 ~第二章~


渋滞ハイから醒め、現実に戻ったとき、便意を思い出した。
えっと、では最初のSAへ―


並んでいる。本線からの離合レーンにまで、車がズラリと。
流れる気配はどうもなさそうだ。しゃあない、この次はPAだから、ここよりはマシだろう。合流のタイミングを見計らい、もう一度本線へ。


と、休憩の前に、ひとつの選択をせねばならなかった。
山陽道で行くか、中国道で行くか。
深夜はガソリンスタンドの不安があるから、無難に山陽道かな? と考えていたが、もう朝が近いので意味がなくなってしまった。
さらに、山陽道方面は18kmの渋滞なんて知らされては、選択の余地なんてないじゃないか。
半ば事務的に、中国道を選択した。


そして、ほどなく見えてきたPAでやっと休憩。こちらも車はいっぱいだったが、停められないようなことはなかった。
用を済ませ、時計を覗けばもう4時半。よくぞここまで持ったものだ。
明るみ始めた空を眺め、私は考えた。
「ところで、仮眠、どうすっかな?」
一睡もしていないものの、まだ全然進んでいない。ここはひとつ、眠くなるまで進み、ヤバイと感じたら仮眠をとるか。
肌寒かったのでタオルを首に巻き、下のカッパを重ね着した。エンジンに火を入れ、出発だ。


みるみるうちに周囲が明るくなってゆく。車の流れは順調だ。やがて背後から、神々しい光が差してきた。山々の緑が輝きを増してゆく。なんて清々しい光景なのだろう。
しかし、眠気が。まぶたが落ちかけて、ゼロコンマ何秒か意識が飛んだ。危ない、危ない。無理しても何の得にもなるまい。ちょうどさしかかったPAで仮眠をとることに。
本線上の交通量はそこそこなのに、各SA・PAは車でいっぱい。皆、仮眠をとっていたのだろう。
で、私はこれから仮眠である。バイクから寝袋を取り出し、ベンチを見つけて即ゴロリ。
でも、あまり長く眠っては時間がもったいない。結局、40分ほどうとうとするに止まり、回復なんてしていない体で、引き続き西を目指す。


朝食は、SAのレストラン等が混雑していたため、やむなくパンとコーヒーに。
ちなみに昼も同じような状態で、スナック菓子とアイスクリームという、もはやそれ食事じゃなくて「おやつ」だろ、というような内容となった。


人間だけでなく、車やバイクの補給施設も同様だ。どこのスタンドでも必ず行列。店員の皆さんは大忙しだ。
そして、2回目の給油でアクシデント発生!
サイドスタンドを出してバイクを降りようとしたところ、地面が微妙に傾斜していたらしく、降りた瞬間にバイクが前方へ動き、スタンドが外れた!
やべっ、と思い持ち上げようとするも、乾燥360kg+フル積載のGLをそう簡単に支えることはできず、あえなくガシャン!
それはたまにあることなので別に構わない。そして引き起こしもまあスムーズにできたが、給油後いったん離脱し財布をしまおうとすると、いきなり激痛が。
倒すまいとムダな抵抗をしたために、左手首を損傷したようだ。


直ちにタイガーバーム(!)を取り出し、痛んだ箇所にこれでもかというくらい塗りったくる。
左手の動作を確認したところ、辛うじてクラッチレバーは操作できるようだが、それ以外に何かしようとするたびにいちいち痛む。
「参ったな… まだ作戦初日だぞ!?」
とんだ災難だが、どうにか進軍をつづけるしかあるまい。痛みを堪えて、再出発だ。


予定では真っ暗なうちに通過するはずだった中国道。
だが、昼間に見るその傍らの風景は、意外な拾い物であった。
新緑の映える山あいに点在する古い民家。田には水が張られ、5月の日差しに煌いている。
かくも旅心を掻き立てるような景色があったとは― できることなら、停まって写真の一枚も撮りたかった。


その後、再び睡魔が。そらそうだ、7時間寝てもまだ寝たりない体質なのに、40分でどう満足するのか。
たぶん広島県内であろうPAに入る。さすがにこの場所&時間だとガラガラだ。そのわざわざ端っこまで行き、何らかの施設とおぼしきコンクリの箱の上にマットを敷き、そのままゴロリ。
しかし、ここでも30分しか眠らなかった。これをあと何回繰り返すのだろう?


長かった広島県を抜け、いよいよ山口県へ。しかし、このあたりから山陽道と合流するため、再び渋滞が。まあ、大阪のあの大渋滞を切り抜けた後だけに、可愛いものではあったが。


そして! ついに関門橋に到達!! 九州入りを果たすが、なんと橋の上も渋滞…
もう何回も通ったことのあるこの橋で渋滞に出くわすなんて、初めての経験である。
が、逆に言えばこんなに「ゆっくり」橋を渡ることなんてなかったので、橋からの眺めを堪能することができた。モノは考えようってか?


事前の予想では、鳥栖JCT近辺から最大60kmという殺人的な渋滞が予想されていたが、予想ピーク時刻を過ぎていたこともあってか、実際は数キロの渋滞が散発的に発生したに止まった。助かった… って、もう十分にハマったけど。


やがて鳥栖JCTを通過し、長崎自動車道へ。さすがにここまで来れば、車の数もぐっと減る。
少し傾きかけた太陽の光が、筑紫平野の広大な水田を照らす。
父親の故郷、武雄市はもうすぐそこだ。

                                                (つづく)
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by fch_titans | 2009-05-14 20:32 | ツーリング