この星が、好きだから― 私は、ティターンズ。


by fch_titans
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再訪


午前4時。
出航の準備のため、家族を起こさぬよう、玄関の戸をそっと開けて外へ出る。
確か、前回も同じような時間の出立であったはずだが、今回は雨。だが、今回のほうがむしろ暖かい。晩秋と晩冬の違いが、そんなところに表れている。


グレイファントムに搭乗し、機関を始動。ワイパーレバーを1段下げ、シフトレバーを1速に叩き込む。
さあ、出航だ!


名神高速は、交通量は意外と多かったが、路面がヘビーウェットであるためか、総じてペースは遅い。
私も当初は110㎞/hを出すのがやっとであったが、それでも追い抜いてゆく車はいなかった。
深い水溜まりに車輪が衝撃を受け、ハンドルを取られる。
脚は一通り強化してあるのに、この有様だ。ステアリング系統の剛性がよほどヤワなのか?
(というか、そんな剛性ってあるのか?)


それでも慣れとは恐ろしく、知らぬ間にペースが上がって行き、気がつけばぬあわkm/hまで達していた。
雨もほとんど上がり、気持ちよく巡航する。
ところが、ハイドロでも起こったのだろうか、一度だけコーナリング中にコントロールを失いかけ、およよよよ、となってしまった。
時間にして1秒ほどではあったが、さすがにこれはマズいと思い、巡航速度を下げた。


中国道に入る頃には、雨も止み、路面の水も引いてきたので、またペースを上げる。
当然、燃費は悪化するが、この際、細かいことはいいか。


岡山あたりで背後から朝日が昇り、ミラーを眩しく照らす。
その清々しさに、我が人生もこうあってほしいと願わずにはいられなかった。
それを頼み込むべく、この作戦は行われているのだが。


しかし、米子道へスイッチしたとたん、ふたたび厚い雲が空を覆った。
人生も、実際はこんな感じだわな、なんて妙に納得しつつ、いったんPAへ。
ここでCDを交換する。今日は、前日に借りてきた、B’zのベストアルバム「ULTRA PLeasure&Trasure」を、入れ替え差し替え聞きながら進軍していた。
(ちなみに私は、Pleasureのほうが圧倒的に好きだ)


そんな調子で、出発から5時間少々。
前方に巨大な鳥居が見えてきた。
ようやく着いたか。
そう、本作戦の目的地は、ここであったのだ。

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冒頭で「前回」と述べたのは、08年11月の「神在祭」に合わせて訪れたことがあったからだ。
(09年1月の『サミット参観記』を参照のこと)
それ以来の参拝となるのだが、ではなぜ、再びこの地へとやって来たのか?


先日、知人とのメールのやりとりで、出雲大社の話題が出た。
それを聞き、08年のことを思い出していたのだが、その際、「ちょっと待てよ…?」と引っかかったのである。
その時の行動を思い返してみると、とんでもない過ちを犯していたことに気づいてしまったのだ。


鳥居をくぐらずに、参拝したのである。
しかも、帰りは違う道を歩いてみようなどと言って、帰りだけ鳥居をくぐったのだ。
この行動を人家に例えれば、勝手口から訪問して、玄関から帰ってゆくようなものである。
なんとまあ、無礼極まりないことか。
しかもあの時、手をきちんと清めたかどうかも定かではない。
こんないい加減な参拝では、かの大国主大神も我が願いを叶えてなどくれないだろう。


このような反省から、きちんと作法に則り、改めて参拝し直そうと思い立ち、再訪と相成ったのである。


従って、今回は駐車場も違う場所を選び、正面の鳥居から参拝を開始した。
くぐる前に一礼し、砂利を踏みしめ歩く。団体客や家族連れなどもいたが、最も目立ったのは女性数名のグループだ。
しかし、私のような単独での参拝者もちらほら見受けられ、しかも男性より女性のほうが多く感じられたのは驚きだ。
皆、どんな思いを抱いてここを訪れているのだろうか。
(てか、願い事はやっぱりアレしかないのだろうけど…)


そんなことを考えながら歩いていると、手洗い場が見えてきた。
今日はここもきっちりこなす。
左手を洗い、その左手に水をたたえ、口をゆすぐ。もう一度左手を洗い、柄杓を持ち替え今度は右手。
よし、これで万全だ。


最後の鳥居をくぐり、仮拝殿の前へと歩み寄る。
その後方には、現在修繕中の本殿が工事用とおぼしき建物に覆われていた。
5年の歳月をかけて行われる、この「平成の大遷宮」、平成25年に完了予定だというから、まだ3年少々かかるのか。気の遠くなる話だ。

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それはさておき、いよいよ参拝である。
今回は45円を、あらかじめ水洗いして紙で包み用意していた。
それを賽銭箱に投じ、二礼四拍一礼の儀を以て願いを心唱した。
「○▲×■☆ー」
これでよし。今度は礼を軽んずることなく参拝できたはずだ。


そして、いよいよおみくじタイムである。
これでもし、引いたおみくじにボロカス書かれていたら、目も当てられないが…
果たして、大丈夫であろうか?
いつも、ごちゃごちゃかき回して引く癖があるのだが、今回は素直に目についた上のほうのものを手に取った。
恐るおそる開いて中を見る。
するとー

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このような内容であった。
ここのおみくじは、吉や凶などの表記はしていない。
だが、内容からして、限りなく大吉に近い内容に思えた。
いや、そんなランク付けなんて、どうでも良かった。
それは、500km弱の道のりを経て馳せ参じた私をねぎらい、そして励ましてくれたかのような内容であった。
同時に、小細工などしないで、正々堂々、正面からぶつかれ、といった趣旨の一文に、ドキッとした。


実は今、ある分野の戦いに於いて、戦局が非常に悪化している。
その流れをこちらへたぐり寄せるべく反転攻勢を計画しており、その第一段階としてある陽動作戦を企てていたのである。
今回の出雲再訪も、それと全く無関係ではない。
だが、あたかも神はそれを見透し、そして戒めているかのようであった。
確かに、陽動のひとつやふたつ実行したところで、戦況が簡単に覆るとは思えない。
非常に心苦しく辛いことだが、ここはじっと耐え、風向きが変わるのを待つしかなさそうである。
自分の軽率さを恥じた私は、陽動作戦の中止を決定。
これからはどっしりと構え、じっくりと取り組むことを心に決めた。


拝殿を後にして、南へと足を進める。
東の空から太陽が顔を覗かせた。
その眩しい光に目を細めた私の表情もまた、晴れやかであった。
今回は他の観光などは一切排除し、この参拝が唯一の目的だったのだが、本当に来て良かったな。
何だか勇気をもらえたような気がした。


願い事の中で述べた、「最大限の努力をいたします」という言葉が偽りとならぬよう、明日からまた地道に努力を重ねて行きたい。

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門前にある食堂で出雲そばを食べたあと、私はグレイファントムの元へと戻って行った。
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by fch_titans | 2010-03-01 09:05 | 作戦報告